辻村深月のプロフィールと魅力 なぜこの作家はこんなにも心を揺さぶるのか

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この記事を読めば辻村深月(つじむらみづき)という作家がどんな人物で、なぜこれほど多くの読者を虜にするのかが丸ごとわかります。

デビューからわずか20年余りで直木賞・本屋大賞・吉川英治文学新人賞という三つの主要賞を制し、映画・アニメ・ドラマとメディアミックスも次々に実現している辻村深月。

「人気作家」という言葉でまとめてしまうにはあまりにも色々な顔を持っている人だなと思っていて。このページでは、そんな辻村深月の人となりや作風の秘密をできるだけ深く掘り下げていきます。

目次

辻村深月とはどんな人か

プロフィール一覧

まずは基本情報をまとめておきます。

項目内容
本名非公開
生年月日1980年2月29日(うるう年生まれ)
年齢46歳
出身地山梨県東八代郡石和町(現・笛吹市)
学歴千葉大学教育学部卒業
デビュー2004年『冷たい校舎の時は止まる』第31回メフィスト賞
主な受賞歴吉川英治文学新人賞(2011年)・直木三十五賞(2012年)・本屋大賞(2018年)
現在の活動作家活動・2025年より直木賞選考委員

ちなみに、生年月日が2月29日というのは4年に1度しかない誕生日。

「誕生日が本当の意味で来るのは4年に1回なんですよね」みたいな話を本人が語っているわけではないんですが、なんか象徴的な気がして、個人的にはちょっと印象に残っているポイントです。

名前は「深月」、「美月」ではない

よく間違われるのが名前の読み方。「辻村深月」は「つじむらみづき」と読みますが、「深月」を「美月」と誤読される場合がけっこう多いみたいです。

本人も知っているはずで、それでも改めてどこかで指摘したりしているのか気になるところではあります。まあ、それだけ名前が浸透している証拠でもあると思いますが。

ペンネームの由来に込めた熱量

小学6年生で人生が変わった一冊

辻村深月のペンネームには読んだ人がちょっとジーンとするようなエピソードが詰まっています。

小学6年生のときに出会ったのが、ミステリー作家・綾辻行人の『十角館の殺人』。

その衝撃があまりに大きく、以来綾辻行人の大ファンになった辻村さんは中学生のころから綾辻本人宛てに何度もファンレターを書き続けました。

普通、ファンレターって返事が来るものではないですよね。

でも辻村さんの場合は編集部の厚意もあって綾辻本人とやり取りが続くようになったんです。

しかも大学受験でしばらく手紙が途絶えたとき、綾辻さんの方から「その後どうでしたか」という手紙が届いたというエピソードまであります。

ファンレターは「怖い手紙」だったらしい

これがまた面白いエピソードで。

編集者たちは「微笑ましいですね」と美談として語ろうとしたのに、当の綾辻行人が「それがね、なんか怖い手紙なんだよ」と言ったというんです

辻村さんが後に「もう本当に勘弁してくださいという気持ちです」と語っていて、読んでいてちょっと笑ってしまいました。好きすぎると逆に怖くなる。

そのくらい深く影響を受けた作家の名前から一字もらって「辻村深月」というペンネームが生まれたわけです。

読者から作家へ、そして憧れた人の名前を背負って書き続ける。

これだけでもう小説になりそうな話だと思いませんか。

華々しい受賞歴と代表作

三つの主要賞を制した異例のキャリア

受賞歴の豪華さは日本の文学界でもかなり異例のレベルです。

  • 2011年:『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞受賞
  • 2012年:『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞受賞
  • 2018年:『かがみの孤城』で第15回本屋大賞受賞(歴代最多得票数)

注目してほしいのがこの三作品がまったく異なるジャンルだという点。

ミステリー短編集・ファンタジー・青春ホラーとそれぞれ全然違う顔の作品で賞を取っています。

「辻村深月といえばこのジャンル」とひとことで語れないのがこの人の面白いところだと思いますね。

本屋大賞受賞作『かがみの孤城』の話をしないわけにはいかない

代表作として最もよく知られているのが『かがみの孤城』です。

本屋大賞15年間の歴代最多得票数を獲得して1位になり、累計発行部数は130万部超。2022年には劇場アニメ化もされています。

受賞時のコメントが印象深くて。

「真っ先に思ったのは、読者の皆さんがきっと喜んでくださる、ということでした」

という言葉、自分の受賞よりまず読者のことを考えるところがこの人らしいなと感じます。

「登場人物は中学生ですが、どの年齢の方にとっても自分の物語だと感じていただけると思います」

という言葉も残っていて10代向けに見えて大人が読んでも刺さる作品だということ、それを作者自身がちゃんと意図しているのがわかります。

2023年最も売れた小説という快挙

デビューから20年近くたっても人気が衰えるどころか伸び続けているのが『傲慢と善良』の存在でわかります。

この作品は2023年に最も売れた小説として記録され、さらに2024年9月には藤ヶ谷太輔と奈緒の共演で映画化もされています。

婚活をテーマにした恋愛ミステリーという内容でジェーン・オースティンの『高慢と偏見』を現代日本に置き換えたような構造を持っています。

作風の魅力と創作の秘密

10代の心理描写が突き刺さる理由

辻村深月作品に共通するのが思春期の息苦しさをリアルに書く力です。

スクールカースト、自意識の過剰さ、「友達のフリをしてくれているだけじゃないか」という疑念。

そういったものが、読んでいると本当に他人事に思えなくなる。

自分の見立てではこれは観察力の問題じゃなくて、辻村さん自身が10代に本の中に「逃げ場」を見つけていた経験が直結しているのだと思っています。

「自分が10代で逃げ場がないような気持ちでいた頃、私の傍らにいつもあったのが本の存在でした」

という本人の言葉がそれを物語っていて。書く側になってもあのころの自分に届けるような気持ちで書いているのかもしれません。

「星座を結ぶように」物語を作る

創作の方法論について辻村さんはインタビューでこんなことを語っています。

「胸に刺さった言葉や話を、星座を結ぶようにつなげていく。ミステリー作家はたぶん最初からトリックと驚きを設計する人も多いけど、私の場合はとりあえず書いてみてから徐々にわかることが多くて」

これ、かなり独特だと思います。

あんなに緻密な構造のどんでん返しがあるのに、最初から全部設計しているわけじゃないという。

あくまで本人の言葉なので実際にどの程度なのかは詳しくわからないんですが、ゴールから逆算するのではなく、書きながら物語を発見していくスタイルなんでしょうか。

書けば書くほど自分の書いたものが意味を帯びてくる。そういう感覚で書いているのかもしれないですね。

徹夜はしない。絶対に

執筆スタイルについても面白い話があって。

絶対に徹夜はしません。締め切りの時間が来たら編集者に送る。翌朝、考えが変わったら修正を送り直す」

という習慣を持っているそうです。

しかも朝型を心がけていて、「一日の最初の一杯のコーヒーを飲むことを執筆開始の合図にしている」というルーティンも。

一方、「筆が進んでのめりこんでいる時はごはんを食べるのも忘れて机に向かってしまう」とも語っています。

徹夜はしないのに飯は忘れる。

この矛盾がなんか人間らしくて好きです😊

作品によっては原稿用紙1000枚を超えるものもあるそうでそこまでの分量を推敲していく集中力は想像を超えるものがあります。

ドラえもん脚本担当という異色の一面

「今、作家でいられるのもこの作品があったから」

辻村深月の話をするとき、避けて通れないのが映画ドラえもんへの関わりです。2019年公開の『映画ドラえもんのび太の月面探査記』では脚本と小説版の執筆を担当しました。

自他ともに認めるドラえもん好きである彼女はオファーを受けた当初「私なんかがドラえもんを書いていいのかな」と相当悩んだと語っています。

その後、原作のチーフアシスタントからのメールで

「ドラえもんたちも新しい世界へ冒険に行けることを楽しみにしているはず」

という言葉をもらって気持ちが変わったという話が印象深かったです。

直木賞作家がドラえもんを書く、その意味

一見すると「なんで?」と思われそうな組み合わせですが辻村さんが「今作家としていられるのもこの作品があったから」と語るほどの作品に携わるのは、キャリア上の寄り道じゃなくて、原点回帰だったんでしょうね。

「大人が本気で作ったものを届ける」

という信念があるから、子ども向けだからといって手を抜く発想がない。

それがどのジャンルでも通用する作家性につながっているのかなと思いますね。

子育てしながら書き続けるということ

ベストマザー賞を受賞した2019年

辻村深月は2児の母親でもあります。2019年には育児と執筆を両立する姿が評価されてベストマザー賞の文芸部門を受賞しています。

受賞時のコメントが「周囲に支えられながら一生作家で居続けたい」という言葉で、肩書を並べていかない素直な言い方がいいなと思いました。

「周囲に支えられながら」というのがポイントで育児と執筆の両立を一人の力技でやっているのではなく、サポート体制があってこそだという認識を公言しているのが誠実さを感じます。

年に1〜2冊ペースで新刊を出し続けていることを考えると、その環境を作ることも含めて相当なマネジメント力が求められるはずです。

2025年から直木賞の選考委員に

受賞者の側から評価する側へ。

2025年より直木三十五賞の選考委員にも就任しています。

これって、なかなか感慨深い立場の変化ですよね。

かつて自分が受賞した賞の選ぶ側になるというのは。

書くことも選ぶこともどちらも続ける姿勢は純粋にすごいなと思います。

まとめ 辻村深月という作家のここがすごい

  • 1980年2月29日生まれ(うるう年)、山梨県笛吹市出身、千葉大学教育学部卒業
  • ペンネームの「辻」は憧れの作家・綾辻行人から一字いただいたもの。中学生から大量のファンレターを送り続けた本物の大ファン
  • 吉川英治文学新人賞・直木賞・本屋大賞の三冠をまったく異なるジャンルの作品で制覇
  • 『かがみの孤城』は本屋大賞歴代最多得票数、累計130万部超
  • 映画ドラえもんの脚本担当は、ファン心理から生まれた原点回帰の仕事
  • 絶対に徹夜をしないというルールを貫きながら原稿用紙1000枚超の作品も書き上げる
  • 2019年ベストマザー賞受賞。2025年から直木賞選考委員にも就任

まだ読んだことがないという方にはまず『かがみの孤城』から入るのがおすすめです。

中学生が主人公のファンタジーに見えて、読み終えたとき「これって自分の話だったんだ」と気づく構造。

あの体験は一度味わうともう辻村深月から離れられなくなるはずですよ。

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